旅をする中で、この風景をモノクロで撮りたい!と思う瞬間が何回かあります。
以前も書きましたが、「形に印象を受けた時」「光と影」「より味わいのある雰囲気にしたい時」「薄暗い場所」「何気ない一瞬」などは特にそう。ここぞとばかりにモノクロ写真を撮ります。ただなんとなく撮るのではなくて自分が自信を持って撮りたいと思って撮るので、撮る枚数は多くなくても自然と良い写真になるものです。
デジタル写真、フィルム写真とどちらも撮るスタイルで日々の写真を撮っているわけですが、モノクロ写真はというと「デジタルモノクロ写真」という分野で撮っています。これまでの流れはモノクロと言ったらフィルム、というものでした。しかしデジタルでもクオリティの高いモノクロが撮れるし、デジタルカメラのモノクロモードの種類もたくさんあります。最近「デジタルモノクロ写真」の本を読んで、改めてその良さを感じていました。今までにないようなとても良い本です。
気ままに、デジタルモノクロ写真入門台湾にも撮りたいと思う瞬間が非常に多くあったのでその瞬間に溶け込むようにシャッターを切ってきました。
いろんな”色”を感じる写真
お寺での写真。真っ赤なロウがダラダラと垂れるロウソクをたくさん運ぶ女性。ロウソクの火を自分の線香につけようと多くの人が集まってきます。ものすごい数の人が集まるお寺でした。
この写真を撮ったのは、風で揺れる炎が良いなと思ったこと、ごちゃごちゃした場所でロウソクの赤、人のカラフルな服を撮ると視覚的にうるさい写真になるかと思い白と黒だけのモノクロにして撮ってみました。実際は白と黒だけではなくいろんなグレー色ですが。
モノクロにすると色の情報がない分見る人が考える写真になります。カラーだと単調な写真が味わい深い写真として見れるところがモノクロを好きな理由です。
屋台にて

鶏肉のお店で、焼いた鶏が並んでいます。少しショッキングな画。日本だとあまり見ることがないですが台湾ではよくある光景です。いろんなことが発達している日本では感じることが少ない生き物に対するありがたみを改めてじっくり考えるきっかけにもなった場所です。これもモノクロで撮ることによって印象的に撮れている気がします。
そこにはストーリーがある
台北の夜市を撮った写真。店のあかりと道路の暗さが対比されて個人的には良いものが撮れたと思っています。道路を歩く人の様子や人が休んでいる姿。人が写真に写るとストーリーが少し見えてきます。さらにそれがモノクロだと想像が膨らむ分いろんなことが見える写真になります。
この写真はFUJIFILMのX-H1で撮っています。このカメラは特に高感度に強いというわけではありませんが、感度を上げてもノイズが目立つことなく優秀なカメラだなと感じました。
良い街、良い風景
空が綺麗で建物の形も良くて1枚。空の光と街の影になる部分が印象的でした。こういった写真を見るとモノクロって良いなと思います。建物がなんだかノスタルジーな雰囲気でカラーよりもグレーの方が強調されて良さが分かります。この雰囲気、本当に台湾って落ち着く街ですね。台湾とモノクロは相性バッチリです。
何気なく
街の片隅にあるちょっとした屋台。檳榔という中毒性のある、少し危険な雰囲気さえある食べ物です。真っ赤なガムみたいなもので台湾のおじいさんが口に入れている姿をよく見ます。
多分カラーだと何もないただのスナップですがモノクロにすると薄暗さや、僕がちょっと良いなと思った雰囲気が伝わると思い撮りました。
モノクロを撮るというのは、単に楽しいという理由です。
白黒の世界をファインダー越しに覗きながら撮るのも楽しいし、撮った写真を見るのも楽しい。写真に隠れているストーリーを見る人が想像でき、それが伝わりやすいというのが写真を見る上での楽しさなのです。

