Leicaと言えば何を思い浮かべるでしょうか。M型ライカ?それともバルナックライカ?
ほとんどの人はどちらかと思います。
しかしあえて、そのどちらでもないライカを選択する人がいるとすればちょっとした変わり者。
M型でもなくバルナックライカでもないLeicaのカメラは、中古カメラ店を探しても数はそれほど多くありません。ネットで情報を探しても検索結果はあまり出てこない。
「作例」と検索しても他に圧倒され、隠れたように少しだけある。というのがこのマイナーなライカの現状です。
そのマイナー機種は、どんな人が探して所有するのだろうと考えてみると、
1. 長年のライカファン。これまで数々のライカを使ってきて、これからはがっちり決めるよりはゆるく撮影をしたい人。
2. ライカブランドを手に入れたいが、金銭的にMシリーズに手を出せない人。
3. サブ機としてちょっとおしゃれなライカをバッグにしのばせたい人。
こういったマイナー層が好んで使用するカメラ。と、定義されているように思います。
今の時代フィルムを好んで使う人なんて、そもそも変わり者と言われますが、その中でもさらに変わり者。
…かという僕もそのマイナー層の中の、変わり者の一人でした。
ライカを所有したことがない身として、一度でいいからライカを所有してみたい!とずっと考える時期がありました。(現在はコンパクトライカ使用中)
ライカブランド(と言えるのかは疑問)を所有したいという気持ちと、コンパクトなサブカメラを考えている2つの気持ちが合致したのが「コンパクトライカ」という選択肢です。
マイナー層だろうが、変わり者だろうが大丈夫。とにかく自分が欲しいと思ったカメラで喜びを満たしながら撮るってことが最高の幸せ。
それこそが趣味としてのカメラです。
本記事では、M型でもバルナックライカでもない「コンパクトライカ」と定義されるカメラを紹介します。
今回はそれぞれのカメラの以下の4項目について絞って解説します。
・種類
・発売日
・重量
・搭載レンズ
本当は気になる機能はもっとありますが、必要最小限の4項目にとどめています。
ちなみに紹介するライカは、名前はライカであっても日本製企業のOEMであることがほとんどなので、デザインはライカっぽくなかったり、価格も安いことが多いです。
ライカが気になる人、ライカがどうしても欲しい!と思っている人の参考になれれば良いです。
Contents
時代を感じるライカ
AF-C1
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1989年
・サイズ:140 × 65 × 60 ( W × H × D )
・重量:345 g
・レンズ 40-80mm f 2.8-5.6
80年代のカメラ。もちろんフィルムカメラです。
なんだかカッコ良くない…。これがライカと言えるのか?と思ってしまうのが、正直な感想。今のミラーレスのSONYみたいなデザインですね。
40-80mmというズームレンズですがあんまり評判は良くないレンズのようです。
Simple is the best
mini
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1991年
・サイズ:118 × 65 × 38.6
・重量:160 g
・レンズ:エルマー35mm f 3.5
ここからはライカミニシリーズ。
個人的にはコンパクトでシンプルなデザインが一番かっこいいと感じます。普通の人が考えるコンパクトカメラのイメージ通りの形をしているかと思います。
雰囲気的には「写ルンです」みたい。黒いボディに、ワンポイントのライカマークがとても可愛い。
しかし搭載レンズは、エルマーf3.5で、画質は思ったよりも良いもの。
や価格は安くても「腐ってもライカ」と思わせてくれるはずです。
mini 2
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1993年
・サイズ: おそらく mini と同じ
・重量: おそらく mini と同じ
・レンズ: おそらく mini と同じ
miniからの進化バージョン。1と2の見た目の違いはあまり分かりません。レンズの表記も1と同じ。それ以上の情報は確認できませんでした。
2年の歳月を経て少し進化し、少し明るいレンズになったのでしょうか?
暗い場所ではフラッシュをたいて撮影しても面白いかもしれません。
mini 3
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1996年
・サイズ:119 × 64 × 35
・重量:165 g
・レンズ: ズマール 32mm f 3.2
さらに進化したライカミニ。
この3ではデザイン的にもグッと変わりました。正統派から少しおしゃれを意識した感じに。逆にそれがこのカメラを安っぽくしている気がしますが..
そしてレンズがズマールにf3.2と少し明るくなったレンズ。
正直言ってデザインがあまり好みじゃないっていう印象。
mini zoom
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1993年
・サイズ: 不明(miniよりも大きい)
・重量: 不明
・レンズ:バリオ・エルマー 35-75mm f4.0-6.7
何かと便利なズーム版のライカミニ。miniの形が少し大きく、重くなっているような感じです。
このカメラの画質を見てみるとやはりレンズは単焦点がいいと思ってしまいます
探してみると結構安価で出回ってるので、どうしても安いのがいいって人はいいかもしれません。
独特の世界観
Z2X
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1997年
・サイズ:124 × 69.6 × 42.6
・重量:245 g
・レンズ:バリオ・エルマー 35-70mm f 4.0-7.6
このあたりはあまり知らない世界に入り込むようなカメラ。あまり知りませんでしたが、Z2Xと言うんです。
Leica miniに少しだけ似ているような感じもしますし歴史も感じますが、あまりライカらしいカメラとは言えませんね。
おしゃれ路線へ
minilux
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1995年
・サイズ:124 × 69 × 39
・重量: 330g
・レンズ:ズマリット 40mm f 2.4
ズマリットを搭載したミニルックス。
miniの後に発売した minilux。miniの贅沢(luxury)版でminiluxなのではないかと言われます。
このレンズ、写りがすごく良いらしい。f2.4が魅力的で、コンパクトシリーズの中でもかなりの人気なようです。
デザインもおしゃれだし、ズマリットの40mmも魅力。
minilux zoom
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1999年
・サイズ:124 × 69 × 44
・重量: 375g
・レンズ:バリオ・エルマー 35-70mm f 3.5-6.5
ミニルックスのズームができるようになったもの。
性能がミニルックスのままでズームが可能というわけではなく、もちろんズームレンズになるとレンズは少し変わってしまします。
写真を撮っていて、この状況でズームをしたかった!と思うことは時々ありますが、便利さと引き換えに画質や明るさ、軽快さが失われるとしたら、僕には単焦点で良いかもと言う結論。
コンパクトならこれ
CM
引用:http://www.overgaard.dk/leica_CM.html
・発売:2004年
・サイズ:116 × 64 × 43
・重量: 300g
・レンズ:ズマリット 40mm f 2.4
2000年代のカメラ。
カクカクとした感じでメカ好きには受け入れられやすい印象ですね。こちらも画質には定評があります。
CM zoom
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:2005年
・サイズ:118 × 66 × 58
・重量:360 g
・レンズ:バリオ・エルマー 35-70mm f 3.5-6.5
CMのズーム版。Mシリーズに似ている形で、そちらからの移行、サブとしても良いかもしれません。
パッと見るとM型?と思うかもしれません。それがCMです。
つるっとした感じ
C1
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1999年
・サイズ:129.5 × 67 × 46
・重量:260 g
・レンズ:バリオ・エルマー 38-105mm f 4-10.5
このCシリーズは重量が軽く、つるっとシンプルなデザインで、持ち運び用の気軽なカメラとして良いです。価格も非常に安い。
ズームCシリーズ全部に言えることですが、ズームレンズ好きにしか受け入れられないでしょう。
気軽さと、価格の安さを取るなら良いかもしれません。
C2
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:2002年
・サイズ:121 × 66 × 39.5
・重量:240 g
・レンズ:バリオ・エルマー 35-70mm f 4.6-8.6
C1からの進化。真ん中に線が入っていて、不思議なデザインだなと思ってしまいます。
C3
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:2002年
・サイズ:129 × 67 × 46
・重量:270 g
・レンズ:バリオ・エルマー 28-80mm f 3.6-7.9 ASPH
28mmの広角側から、望遠側の80mmの望遠まで、便利で面白そうなレンズです。
この画角はきっと良い働きをするはず。
C2 zoom
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1991年
・サイズ:122 × 66 × 4.1
・重量:240 g
・レンズ:40-90mm f 4.8-8.6
正直このカメラに言えることは1つ。
AF-C1同様に歴史を感じるカメラだなあ、ということ。
C11
引用:https://www.l-camera-forum.com
・発売:1999年
・サイズ:105 × 60 × 40
・重量:210 g
・レンズ:バリオ・エルマー 23-70mm f 4.8-9.5
一味違ったデザインもありました。フラッシュが上面に出てくるタイプ。
ただ、超コンパクト、超軽量なこのカメラです。
こちらも注目
CL
・発売:1973年
・サイズ:121 × 76 × 32
・重量:365 g
・レンズ:なし
これまでのカメラはレンズ固定式で、このCLはレンズ交換のタイプなので全く違いますが、コンパクトといった点では、非常にコンパクト。
僕も以前狙っていたモデルです。なんと言ってもこのデザインが僕好み。
角が張った長方形のボディ。必要な機能を無くさず、小型化できるように、ダイヤルが上面だけでなく、前面にも配置されています。見れば見るほどかっこいい。
レンズ交換式だからズミクロンも付けられるし、レンズの選択肢が広がります。値段は張るけどね。
この中で、買うなら一体どれにする?
ライカが出しているコンパクトカメラを全てあげてみました。
スペックや特徴を紹介した中で、個人的におすすめのカメラ。それは、
・leica mini もしくは leica mini2
・leica minilux
このどれかです。
miniとmini2についてはあまり違いが分からなく、デザインも値段もそれほど変わらないようなので、正直どちらでもいいかなと思います。
良い点は見た目のデザインです。現在のカメラとは異なった、少し懐かしく感じるゆるいフォルムで、撮っていて自然体になれそうな気がしてきます。ストリートで撮っていても、被写体の力が抜けるようなカメラ。
目的がサブとしてカバンから取り出して、「何気ない一瞬を撮る」ということなので、ぴったりな感じがします。
miniluxの良いところはレンズですね。ズマリットのf2.4はぜひとも使ってみたい!
miniより良い写真を求めるならminiluxの方が1ランク、2ランクぐらい上かなと思っています。これもコンパクトで、同じようにスナップに最適なカメラかと思います、
ただ、価格が2、3倍となってくるので、価格が許すならminilux、安く抑えるならmini。という感じの選択になりそうです。
ちなみに僕はLeica mini2を使用しています。
ライカ、ついに購入。街歩きにぴったりのカメラ【Leica mini 2】
最後に
これらの全てのカメラは現在新品で販売されていないので、買うとすれば中古での購入となります。さらには10年、20年前に発売になっているものなので、状態や、動作も気にしていかなければなりません。
しかしライカのカメラの中でも数十万、数百万するカメラと違って、運が良く安ければ1万円以内、高くても10万出せば買えるカメラばかりです。
最悪「壊れても愛嬌」ぐらいの気持ちで気軽に余裕を持って買うべきカメラかと思っています。
ライカの魔法に取り憑かれている人って多いんですよね。身の回りにもたくさん。僕はまだそんな境地に達していないし、魅力も全く分かりませんが、使ってたらそっちに行ってしまうのかなぁ…
気になるようで恐ろしい世界。