越後妻有の写真は何度見ても美しいものばかり。
先日は大地の芸術祭に行った時の写真を厳選して9枚公開しました。
何枚も良いと思う写真はありますが9枚に絞ったのは、あえて少なくすることで1枚1枚をしっかり見つめ直して、より良さを伝えたいからです。
その記事がこちら。
1枚1枚全て撮った理由がありますし、撮った時の心境を思い出せます。
例えばフィルムで撮る時、被写体をしっかり観察して、撮る構図を決めて、ピントを合わせて、フッと息を飲んでファインダーを覗き、シャッターを切る。
フィルムのコストの問題や、マニュアル操作のためにそのような撮影をしますが、僕は1枚に気持ちを込めて撮る撮影が好き。
今回もそのような感じ。デジタルでの撮影ですが、少ない枚数で撮ったので思いが入っています。
前回の9枚を公開した後まだ紹介した写真がありました。今回はもう9枚の写真のレポートです。これらを見て僕が見た十日町の世界が少しでも伝わればいいです。
ところで僕の写真撮影について先に少しお教えします。
カメラは何度も記事にしているように FUJIFILM の X-Pro1。
XF23mmF2 の単焦点と XF55-200mmF3.5-4.8 という望遠ズームレンズを使用しています。
主に単焦点レンズをつけっぱなしで、ここぞ!という時にはズームレンズに付け替えます。
全て RAW で撮影し、Macbook Air で LIghtroom で現像します。カメラで撮った写真のままでも非常に良い写真なのですが、RAW現像すると自分が思い描いた写真になり、さらに「伝わる」写真になります。何より最近はその工程が好き。
そして少しでも多くの人に伝えるために記事にしたり、ツイッターで公開したりしています。良いと思う写真はプリントして自宅に飾っています。
その際のウォールデコという FUJIFILM のサービスは非常にオススメ。毎日見るたびにモチベーションが上がります。
おしゃれで見とれてしまう
歩いていて、ふとあたりを見たら美しい建物があったので撮ってみました。前記事の写真にも共通することですが、壮大で昔ながらあるような建物があると立ち止まってしまいます。
似たような外観でも、よく見れば全然違っています。どんな歴史があって、どのようにして今日まで守られてきたか。そんなことを考えながら写真を撮り続けます。
絵本の世界に
土市駅という無人駅のそばにこんな世界が広がっていました。カラフルで天井には鳥が止まっています。絵本の世界そのものです。
この作品を作った台湾の人は幸せな気持ちで、子供の頃に戻るような感じで作ったのかと思います。明るい印象を受けたのでシャドーを少し上げ目で、色がいい感じで出ています。
十日町といえばそば
この地域発祥の「へぎ蕎麦」でお腹を満たします。
蕎麦が美味しいのは水が綺麗な証拠。ツルツルつやつやの麺が食欲をかきたてます。
へぎ蕎麦の「へぎ」とは蕎麦が入っている木の箱のこと。綺麗に一口サイズに丸めて並んだ蕎麦が美しいですね。
綺麗な空気で深呼吸
木が太陽に照らされて透けたような黄色い色をしている様子が好き。1枚1枚の葉っぱの細かいところまで綺麗に解像してくれるカメラ。
都会も便利で良いですが、空が綺麗な田舎ももっと良いですよ。最高にリラックスできます。
神秘的な場所
海外の人のアートの作品。
山をしばらく歩くと椅子がたくさん並んでいました。大小様々な椅子が山の中にあるのは異様な光景です。木々の隙間から漏れた太陽の光が椅子に当たって何とも言えない風景を作り出しています。
これは移動に疲れた旅人を憩うためで、世界で頻発する亡命、追放によって移動を強いられた人々への祈りのようなものであると書いてありました。何とも奥が深い作品ですね。
小説の世界観
空家を使用した作品。構造がむき出しになった家の中に682本のコードで世界を表現しています。
僕が最初に思ったのは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」
真っ暗な中に張り巡らされたのは地獄へと伸びた糸。罪人に向けられて糸が垂らされて、必死で登っていくという小説です。まさにこの世界観を表現したのだと思っていました。
しかし実際は宇宙の起源を示しあり、137億年前に質量と時間と空間が発生した瞬間を内包させた作品ということです。
作者の思いはあるけれど見る人によって見え方が変わってきて、僕には僕なりの解釈の仕方があり、また違う人は違う解釈があるかと思います。それも面白いところです。
日陰で一休み
疲れてちょっと休もうと日陰に入ると、良い雰囲気の場所でした。
光が少し漏れてくる感じがイイ!
「写真を撮るようになると、見える世界は美しくなる」と聞いたことがありますがまさにその通り。何気無い場所や、瞬間に良さを見出せるのも写真を撮るようになってからです。
秋の訪れを感じながら
沈んでいきそうな太陽と空を背景にススキを撮りました。
ススキを見ると秋を感じ、何だか少し寂しい気持ちにもなります。そうしてまたすぐに冬がやってきて。
季節を感じるモノを撮るのは僕にとって、写真の醍醐味の一つでもあります。
山の中に堂々と
山の中にあったのは竹で作られた不思議なもの。米が実る稲穂をイメージしたのでしょうか。これが何個も何個もあったので圧巻の光景です。
見る人は空と大地のつながりを感じながら、涼んだり休憩したりできる空間というコンセプトのようです。
写真は感性をさらに豊かに
芸術祭というだけあってアートが素晴らしいです。写真で少しでも伝わったでしょうか?
写真を撮るとじっくり観察するし、その背景までも考えます。そのようにして世界が広がっていくような気がしています。
自分の中の世界を広げるための写真旅、今度はどこに行こうかな…
その他にも僕が撮って厳選した写真を載せた記事がいくつかあります。よかったらどうぞ。