ここ最近、ミラーレス界を引っ張るFUJIFILM。ミラーレス界だけでなく、カメラ界でも独自の路線を突き進んでいます。
その技術の高さとコンセプトの素晴らしさで、虜になっている人は多いかと思います。
僕もそのうちの一人ですが、やはりFUJIFILMには他社にはない魅力が詰まっていますよね。
FUJIFILMはAPS-Cのセンサーサイズのミラーレス一眼で、フルサイズに相当するような画質の小型、軽量のカメラをメインで作っています。
フルサイズを作らない理由はいろいろと語られていますが、やはり一番はそのサイズと重量でしょう。
センサーを大型にすることで画質は向上するかもしれませんが、その分大きく、重くなります。そこらへんのバランスをよく作っているのがFUJIFILMの良さなのです。
(例外的に、2017年の春より発売になった「GFX 50S」という中判カメラもあります。
これは画質ももちろんすごいですが、価格も桁が少し違うのでとりあえずは置いておきます。)
ところで本題に入りますが、ミラーレス一眼の種類が豊富なFUJIFILMの中で、
フラッグシップ機はどれ?という問題です。
X-Pro2? X-T2? それともその他?
ちなみにフラッグシップとは
・旗艦のこと。艦隊の司令官が乗って指令・式を行う軍隊。
・転じて、多くの同類の物の中で最も重要なもの、企業の商品やブランドの中で最上級や最高級のものなどを指す。
引用:wikipedia
世間で言われていることや、僕なりの見解をもとに考えてみます。
はじめに
メーカーのホームページや、カメラ屋さんでは「フラグシップ機」と書いてあったりします。フラッグシップ機の性能でそのメーカーの方向性や技術力が分かったりします。
例えば、NikonだとD5、CanonだとEOS-1Dがそれにあたります。
FUJIFILMとしては
もう終了したものですが、FUJIFILMでは以前こんなキャンペーンをやっていました。
メーカー自身が、この2機種をWフラッグシップと言っているので間違いなくどちらもフラッグシップ機です。
しかし僕個人としては「ちょっと待った!」と言いたいのです。
X-Pro2の方が高価で確実に高性能だと思うし、Proという名前からもこれがフラッグシップでは?
X-T2はハイアマチュア向けに作られたカメラでフラッグシップと呼ぶには…
と思うのです。
何よりX-Pro2の方がかっこいいし。
ともかくX-Pro2とX-T2を比較してどちらがそれにふさわしいか考えてみることにします。
X-Pro2 のイメージ
Proという名前だけあってFUJIFILMでプロが使うのに一番ふさわしいと感じます。価格もGFX 50Sを抜きにすると一番高価です。
他のメーカーになかなか無い独特な形をしています。
フォトグラファーという言葉がぴったり合いそうなカメラです。
X-T2 のイメージ
X-Pro2 に比べると万能なカメラという感じがします。
ズームレンズを付けて風景を撮るというような撮り方をしている人が多いです。
いかにもカメラ!という形状で、私カメラで撮っています、と主張するようなデザインです。
両者の比較
以下がスペックにおける比較です。
カメラ情報や写真素材を提供しているフォトスクというサイトから引用させていただきました。
製品名 | 富士フイルム FUJIFILM X-T2 ボディ | 富士フイルム FUJIFILM X-Pro2 ボディ |
---|---|---|
発売日 | 2016年9月 | 2016年3月03日 |
価格 | 17万円前後 | 19万円前後 |
シリーズ | FUJIFILM Xシリーズ | |
マウント | フジフイルムX系マウント | |
センサー | APS-C(23.6×15.6mm 原色フィルター/X-Trans CMOS III) | |
画像処理エンジン | X-Processor Pro | |
有効画素数 | 2430万画素 | |
最大記憶画素数 | 6000×4000px | |
ISO | 200~12800 | |
拡張ISO | 100~51200 | |
連写 | 14コマ/秒(電子シャッター時)、11コマ/秒(VPB-XT2装着時)、8コマ/秒 | 8コマ/秒 |
AF方式 | インテリジェントハイブリッドAF(TTLコントラストAF/位相差AF) | |
ファインダー | 有機ELファインダー (約236万ドット/視野率100%/倍率0.77倍) | ハイブリッドビューファインダー(OVF + EVF) EVF(約236万ドット/視野率100%/倍率0.59倍) |
モニター | 3インチ (104万ドット) | 3インチ (162万ドット) |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | |
電子シャッター | 1/32000秒 | |
セルフタイマー | 2、10秒 | |
撮影枚数 | 340枚 | 350枚 |
ローパスフィルターレス | ○ | |
ACROSモード | ○ | |
フォーカスレバー | ○ | |
RAW | ○ | |
JPEG | ○ | |
TIFF | ||
RAW+JPEG | ○ | |
動画 | 4K (3840×2160) 30p、フルHD (1920×1080) 60p | フルHD (1920×1080) 60p |
ファイル形式 | MOV | |
映像圧縮方式 | MPEG-4 AVC/H.264準拠 | |
音声記録方式 | リニアPCM ステレオ(48KHzサンプリング) | |
手ぶれ補正 | – | |
内蔵フラッシュ | – | |
防塵防滴仕様 | ○ | |
ライブビュー | ○ | |
可動式モニター | 3方向チルト | 固定式 |
タッチパネル | – | |
バルブ撮影 | ○ | |
Wi-Fi | ○ | |
NFC | ||
GPS | ||
SDカード | ○ | |
SDHCカード | ○ | |
SDXCカード | ○ | |
幅 | 132.5mm | 140.5mm |
高さ | 91.8mm | 82.8mm |
奥行き | 49.2mm | 45.9mm |
重さ | 457g | 445g |
総重量 | 507g | 495g |
バッテリー | NP-W126S | NP-W126 |
インターフェイス | USB3.0、HDMIマイクロ(Type D) | USB2.0、HDMIマイクロ(Type D) |
引用:http://photosku.com/archives/1801/
主な違いをあげてみます。
大きさは全く異なるし、持った感覚も同じメーカーから作られたカメラか疑うほどの差があります。
ファインダーはX-Pro2は、光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)が切り替えられるのに対し、X-T2は EVF のみとなっています。
液晶はX-Pro2が固定式に対して、X-T2は3方向チルト液晶です。
動画撮影ではX-Pro2がHullHDに対し、X-T2は4K動画を撮ることができます。
このようにフラッグシップと一般的に呼ばれている両者ですがこれだけの違いがあります。
結論
性能的なことから言うとどちらも一長一短あります。
個性的なX-Pro2と、万能なX-T2。
僕個人の意見としてはX-Pro2をフラッグシップと思っていますが、歴代No.1と思うほどX-Proが大好きで、好きだからこその贔屓が入ったからで、他の人から見るとX-T2がフラッグシップと言うかもしれません。
人によってどちらを選ぶ人もいるということです。性能面からは、頑張ってもどちらか一つに絞れません。
つまりFUJIFILMが言うように、フラッグシップは両方ともであって、どっちでもいいのではないでしょうか。
どちらでもいい。それが考え抜いた一番適切な答えです。
そもそもフラッグシップを決める必要があるのか
タイトルでフラッグシップはどっち?と言っておいてこんなことを言うのは何なのですが、X-T2の前機種のX-T1だってファームアップで性能が向上しているし、さらには他の機種でも、センサーはAPS-Cで同じで、これらの2つには無い特徴を持っているものもあります。
価格だけでフラッグシップと言うことができるなら、一目瞭然ですが。
しかし性能や、画質で決めるなら、Xシリーズは優劣がつけづらく、FUJIFILMにおいてはフラッグシップ機を決める必要は無いのではないかと思うのが僕の考えです。
決める必要も無いし、公表する必要も無いと思います。
一応はフラッグシップは 2機種となっています。しかし自分だけのフラッグシップ機を見つけてほしいと思います。
新たなる可能性
これから発売になるX-E3は2機種に迫る性能を持つカメラです。
X-Pro2の小型版、Xシリーズ最小で、これら2機種とは違った特徴を持ったカメラです。X-Pro派とX-T派の他に、新たなる流派を作ってくれそうな気がして楽しみです。
最後に
以下に簡単にまとめます。
・FUJIFILMのメインであるXシリーズはすべてをAPS-Cサイズのセンサーを用いている
・メーカーはX-Pro2とX-T2をWフラッグシップと公表
・個人的にはフラッグシップは断然X-Pro2
・両者の性能を比較すると一長一短
・結果的に「フラッグシップなんてどちらでもいい」というのが答え
・自分のフラッグシップを見つけよう
・X-E3もフラッグシップと呼ばれる日がくるかもしれない
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