気になる話

FUJIFILMの抜群の色表現の理由をセンサー、エンジンから考える

僕が愛用しているFUJIFILMのカメラは「肌が綺麗に写る」とか「緑色や青色が鮮やか」、「印象的な風景が撮れる」など色に対しての評判が多く聞かれます。

jpeg撮って出しでも満足いく写真が撮れるのはFUJIFILMの強み。

いろんなメーカーのカメラを使ったことがある人はカメラメーカーによる色の違い、表現の違いに気付くと思います。さらにはFUJIFILMの中でも種類によって、若干の色の違いを感じるかもしれません。

その要因になるのは「イメージセンサー」と「画像処理エンジン」

では色表現が魅力のFUJIFILMの画質を作り出す構造にはどういった特徴があるのでしょうか。
そしてFUJIFILMのカメラのセンサーとエンジンがどういった流れで進化していっているのか、考えていきたいと思います。

FUJIFILMの特徴

まずFUJIFILMの最大の特徴である色表現を生み出すのに、構造はどうなっているのかということ。

これはセンサーとエンジンが重要なポイントです。
解説している記事があるので、気になる方はどうぞ。

やさしく解説 イメージセンサーと画像処理エンジンのあれこれ【図解】 

センサーで光の色を適切に表現して、エンジンでさらに正確で、良い画質な写真にする。これらが合わさってFUJIFILMの色が表現されます。

特にFUJIFILMのセンサーは特徴的です。
一般的なカメラは「ベイヤー配列」になっています。これは2×2=4画素を1単位としたカラー配列のこと。

FUJIFILMのカメラのセンサーは「X-Trans CMOS」と呼ばれるセンサーを採用していています。
これは6×6=36画素を1単位とした非周期的な配列です。特徴としてはモアレ(干渉による線やまだら模様)や偽色を少なくし、解像度を向上させています。

X-Pro1の時に初めて採用されて、X-AシリーズとX-Tの3桁シリーズ以外のXシリーズに全て搭載されているセンサーの形式です。(Aシリーズと、T3桁シリーズはベイヤー配列です)

X-Trans CMOSによってFUJIFILMの特徴である色表現が生まれているのです。

FUJIFILMは何がいいの?「8つのメリット」をまとめてみた 

FUJIFILMのカメラが欲しい人へ。注意すべきこと6選 

Xシリーズの進化【全種類紹介】

センサーもエンジンもどんどん新しい技術が開発されて新しくなっています。

気になるFUJIFILMのXシリーズの各カメラに、どのセンサーでどのエンジンが使われているか発売日順に全てまとめてみました。

カメラ名
発売日
イメージセンサー
画像処理エンジン
X-Pro1
2012.2.18
X-Trans CMOS
EXRプロセッサー Pro
X-E1
2012.11.17
X-Trans CMOS
EXRプロセッサー Pro
X-M1
2013.7.27
X-Trans CMOS
EXRプロセッサー Ⅱ
X-E2
2013.11.9
X-Trans CMOS Ⅱ
EXRプロセッサー Ⅱ
X-A1
2013.11.23
ベイヤー配列CMOS
EXRプロセッサー Ⅱ
X-T1
2014.2.15
X-Trans CMOS Ⅲ
EXRプロセッサー Ⅱ
X-A2
2015.2.26
ベイヤー配列CMOS
EXRプロセッサー Ⅱ
X-T10
2015.6.25
X-Trans CMOS Ⅲ
EXRプロセッサー Ⅱ
X-Pro2
2016.3.3
X-Trans CMOS Ⅲ
X-Processor Pro
X-T2
2016.9.8
X-Trans CMOS Ⅲ
X-Processor Pro
X-A3
2016.11.10
ベイヤー配列CMOS
未確認
X-T20
2017.2.23
X-Trans CMOS Ⅲ
X-Processor Pro
X-E3
2017.9.28
X-Trans CMOS Ⅲ
X-Processor Pro
X-A5
2018.2.15
ベイヤー配列CMOS
未確認
X-H1
2018.3.1
X-Trans CMOS Ⅲ
X-Processor Pro
X-T100
2018.6.21
ベイヤー配列CMOS
未確認
X-T3
2018.9.20
X-Trans CMOS Ⅳ
X-Processor 4
X-T30
2019.3.20
X-Trans CMOS Ⅳ
X-Processor 4
X-A7
2019.10.25
ベイヤー配列CMOS
未確認
X-Pro3
2020.1.16
X-Trans CMOS Ⅳ
X-Processor 4
X-T200
2020.2.27
ベイヤー配列CMOS
未確認
X-T4
2020.4.28
X-Trans CMOS Ⅳ
X-Processor 4

センサーもエンジンも改良を経て、どちらも現在4世代目であることが分かります。

この4つのセンサーでそれぞれに色の特徴があります。

よく言われるのは、初代は赤色が強かった、3代目は肌がやや黄色めに写る。
さらに、古いセンサーだと「ポップコーン現象」と呼ばれる細部が丸くもやっとした描写になるなどの欠点が挙げられます。

これらもユーザーの声が反映されたり、改良によって良くなってきています。

また、上記の表でベイヤー配列CMOSセンサーについては全てまとめて1つ「ベイヤー配列」と書きましたが、こちらも時代と共に改良が加えられています。
実際にはいくつかの種類があります。

画素数が増えたり、銅配線を使用することでデータの読み出し速度が向上するなど少しずつ性能が良くなっています。

どのセンサーどのエンジンがベスト?

どんどん技術が進み新しくなっているカメラ。
新規購入や買い替えの際にどのモデルを選ぶのがベストか、その基準の一つにこのセンサーとエンジンを考える必要はあると思います。

最新のものを選ぶメリットとしては

メリット

・画素数が増え解像度向上
・ノイズ低減
・受光感度向上により暗い場所でも綺麗な写真
・色再現が良い
・処理速度が向上

デメリットもややあります

デメリット

・画素数が増えたことによりデータ量増加
・高額化

などが挙げられます。
しかしメリットの方がはるかに大きいので、できることなら最新のものを選ぶのが良いに決まっています。

色表現も改良され、性能も世代と共にぐんと成長するので、今で言うならX-Trans CMOS Ⅳ、X-Processor 4であるカメラがベストです。

4月28日に発売になったX-T4は非常に魅力的ですよね。

しかしそもそも画質が良いと言われるFUJIFILMのカメラは、少し古くても画質は健在だと思います。価格とのバランスもありますし。

僕個人的な意見としては、1世代・2世代前のものでも使用に関して問題はないと感じます。

こだわるなら最新、FUJIFILMに惚れたなら少し古くても大丈夫といったところです。

FUJIFILMのミラーレス一眼、全9種類の特徴とおすすめXシリーズ【完全版】 

この表現、色を大事にしていきたい

ここまでFUJIFILMのセンサーとエンジンについてお話ししました。

写真を撮る上で理解しておくとカメラ選びや撮影がスムーズになると思います。

FUJIFILMのカメラはjpegで撮っても、自分が表現したい色になるのが最大の魅力です。

FUJIFILM X-H1 で切り撮る桜の写真。【jpeg撮って出し】 

そんな魅力に初めて使った時からずっと魅せられています。
僕はRAW現像が好きなのでやっていますが、撮った瞬間にピタッと決まるカメラってなかなかないですよね。

「シャッターを押した瞬間に全てが完結するカメラ」それがFUJIFILMなのではないでしょうか。

MTF曲線って何?読み方を解説【レンズ選びの基準が変わるかも】 

 

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kangaeruhito
カメラと写真が好き。 最近の愛機はLeica M10、Nikon F3、Canon R6。 何気ない日常の一瞬を切り取るスナップショットが得意。 デジタルカメラ、フィルムカメラ、Raw現像、その他写真技術について日々考える、考える人による【考えるブログ】

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