気になる話

やさしく解説 イメージセンサーと画像処理エンジンのあれこれ【図解】

カメラメーカーによって出る色が違う、表現が違う。

いろんなメーカーのカメラを使ったことがある人は、カメラメーカーによる色表現の違いに気付くと思います。その色の違いを生み出すのは何が原因なのでしょう?

結論から言うとそれは「イメージセンサー」と「画像処理エンジン」によるもの。
それがほぼ全てです。

今回の記事では写真の画質や表現で重要な部分であるセンサーとエンジンについてやさしく解説します。ややマニアックな内容ですがカメラの画質を語る上で外せない要因です。

デジタルカメラの仕組み【図解】

デジタルカメラは以下の図のような構造になっています。

センサーとエンジンの図

デジタルカメラには一眼レフタイプのカメラとミラーレスタイプのカメラに分かれますが、基本的にはこの構造は同じ。

上の図はミラーレス機を表したもの。一眼レフはこの構造に加えてミラー(鏡)とプリズムと呼ばれる光を屈折する構造があります。

さらに詳しく一眼レフとミラーレスについて書いた記事もあるのでこちらもどうぞ。

【図解】一眼レフとミラーレスの違いを誰にでも分かるように解説する

ここで重要になるのが、イメージセンサーと画像処理エンジンです。

イメージセンサーとは?

シャッターを切り、レンズを通した光がまず最初に当たる場所。
それが「イメージセンサー」です。上のカメラの図の青色部分です。

センサーの役割は、入ってきた光をデジタルデータに変換すること。

デジタルデータとは光の強さの値のことです。しかしながらセンサーでは光の強さ(明るさ)は感知できても、光の色が何色なのかは判別することができません。

そこでセンサー内の各画素には表面にセロファンのような一つの色のついたフィルターが付いています。そして画素ごとにそのフィルターの色を感じられるようになっています。

画素で感じた色の強さを用いて、光の三原色であるRGBの値として使用します。これを全ての画素で同様に行い写真になります。

このカラーフィルターを用いた一般的なセンサーの仕組みは「ベイヤー配列」と呼ばれ、多くのカメラはこのタイプのセンサーになっています。

光から写真として色を正確に表現するのは難しく、カラーフィルターやRGBの計算の方法によって色表現は変わってきてしまいます。

このようなことからカメラメーカーごと、同じメーカーでもセンサーの性能によって色が違ってくるということが起こります。

またセンサーのサイズもいくつかあります。フルサイズやAPS-C、マイクロフォーサーズなど。
メーカーによっても採用しているものが異なります。
FUJIFILMに関して言えば、全てのXシリーズでこだわりを持ってAPS-Cを採用していて、フルサイズにも勝る画質を目指し日々開発を進めているそうです。

各社がフルサイズミラーレス機を出す中、FUJIFILMは出さないの?という疑問について 

画像処理エンジンとは?

エンジンはその名の通り画像処理に関わるところで、カメラの図の黄色部分です。

役割はセンサーによって光からデータに変えられたものを画像に変換処理するために、写真に様々な処理をしていきます。

デジタルカメラの頭脳」とも呼ばれエンジンの性能で画質が左右されるというほど重要な部分です。フィルムカメラでいうところの現像処理というところです。

具体的に言うと、ここではセンサーによってできてしまう色のムラを抑えたり、ホワイトバランスを適切に調整したり、ノイズを低減、露出・コントラスト調整など画像に関する様々な処理です。

画像処理エンジンの性能によって画質が変わるので各メーカーは画質向上のために技術を向上させています。

RAWデータで撮影するとこの現像処理エンジンは介さず、光をデータに変換しただけの状態でSDカードに記録されます。
僕自身RAW現像もしますし、カメラ独特の表現も楽しんだりしています。

Lightroomの始め方【登録方法・Raw現像方法を解説する】 

これらのことからセンサーである程度の色の識別を行い、エンジンでそれぞれのメーカーごとのプロセスで画像に色付けや処理を行い適切な写真を作っていく作業がカメラの中で行われているのです。

どのセンサーどのエンジンがベスト?

どんどん技術が進み新しくなっているカメラ。
新規購入や買い替えの際にどのモデルを選ぶのがベストか、その基準の一つにこのセンサーとエンジンを考える必要はあると思います。

写真の画質の良し悪しを決めるポイントとして挙げられるのが、

・レンズ
・イメージセンサー
・画像処理エンジン

の3つです。
この中でセンサーとエンジンはカメラ本体によるものなので、重要視する必要があります。

新しいセンサーとエンジンを積んだカメラは、画素数が増え画質向上と共にデータ量が増えたり、金額が高くなるデメリットはあります。しかしできることなら最新のものが良いのは間違いありません。

色表現も改良され、性能も世代と共にぐんと成長するので、FUJIFILMで言うならX-Trans CMOS Ⅳ、X-Processor 4であるカメラがベストです。

今後一層のデジタルカメラの発展を願って

ここまでセンサーとエンジンについてお話ししました。写真作りにおけるこれらの重要性が分かったかと思います。
写真を撮る上で理解しておくとカメラ選びや撮影がスムーズになります。

ここまでを簡単にまとめると

・センサーで、光をデジタルデータ化

・エンジンで、色や画質など調整

・これら2つによって各メーカーの画像の違いが出る

・時代と共にどんどん進化を続けている

デジタルカメラを使用する人にとって最大のメリットは、現在の技術をフルに搭載したカメラを使用できることではないでしょうか。カメラの進歩は見ていて非常に面白いものです。

今後の更なる発展を願って、各メーカーのデジタルカメラに目が離せません。

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kangaeruhito
カメラと写真が好き。 最近の愛機はLeica M10、Nikon F3、Canon R6。 何気ない日常の一瞬を切り取るスナップショットが得意。 デジタルカメラ、フィルムカメラ、Raw現像、その他写真技術について日々考える、考える人による【考えるブログ】

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