10月23日14:00にX-Pro3の最新情報がFUJIFILMホームページに公開になりました。多くの人がアクセスし、一時的に負荷がかかりサイトがしばらく開けなくなるほどで、FUJIFILMファンの盛り上がりの凄さと、X-Pro3への期待の大きさを物語っています。
1か月前からカウントダウンされるタイプのページで、期待を膨らませる構造、公開されたページは黒で統一されて洗練されたデザインという感じで FUJIFILMらしくて良いなと思っていました。
さて、そこで公開された最新情報によると発売日は11月28日。情報公開で1番だったのは発売日でしたが、その他にも気になる情報が多くあったので、僕が気になっていた事を詳しく紹介します。
発売日・価格
前から言われていた通り3種類のモデルの登場です。
シンプルなブラックからDRのモデルまで。モデルによって発売日も価格も違います。それが以下の通り。
・ブラック 11月28日 214500円
・DRブラック 12月30日 239500円
・DRシルバー 12月20日 239500円
この価格はAmazonの価格です。
Amazonではこの価格となっていますがX-Pro3のブラックのメーカー希望価格の初値は一応235950円。
DRブラックとDRシルバーは263450円となっていて、X-Pro2の時の193840円より4万円程度上がっています。
ちなみにX-Pro2の現在価格はAmazonにて138500円(11月16日現在)となっています。安い!
X-Pro2とX-Pro3の詳しい比較については以下の記事に書いています。
DR加工で2万円程度上乗せされるのも予想通りの価格帯ではないでしょうか。
DR加工は高品位な外観と傷が付きづらいということですが、どの程度の対傷性なのか。もしほとんど傷が使いない加工だとしたら、長く付き合うカメラとして2万円程度の上乗せは安く感じるかと思います。
FUJIFILMの新機種カメラが欲しい。X-H1?X-Pro2?X-Pro3?
目に留まった点
ここから僕が気になった点、目に留まったX-Pro3の特徴を紹介します。
センサー画像処理エンジンは第4世代のもの
X-Trans CMOS Ⅳ、X-Processor4というのはX-T3やX-T30に使用されているのと同じ第4世代です。X-Pro2からはだいぶ進化しました。
AFの範囲を設定できる「フォーカスリミッター」
これはピント合わせの際にレンズの駆動部を制御する機能で、任意のフォーカス範囲を設定できます。これによりオートフォーカスで遠くのものに合わせたいのに近くのものにピントが合ってしますようなことが無くなります。
主に高価なレンズに搭載されています。この機能がレンズに搭載されていなくてもカメラ側でフォーカスリミッターが使用できます。
EVFには有機EL、画素数が369万ドットに
X-Pro2の時の「TFTカラー液晶」から「有機EL液晶」に変わり、画素数も236万ドットから369万ドットと大幅に性能がアップしました。
OVFとEVFを切り替えられるアドバンスドファイブリッドファインダーで、EVFの性能もこれだけ良いとファインダーを覗くのが楽しくなるカメラで、背面液晶が隠されていることと相まってはファインダーの重要性が高まっています。
背面のボタン(D-Pad)の廃止
D-Padとはいわゆる方向キーのことで、X-E3やX-T30に引き続きの非搭載です。X-Pro2にはD-Padがありました。ジョイスティックは搭載されているので、そちらでメニューの操作を行うということでしょう。
しかしそもそも背面液晶が隠れているので、あまり操作するということに重要性を置いていないのかもしれません。シンプルで直感的な操作性や見た目を目指したのでしょう。個人的には少し不便に感じますが、シンプルなカメラを目指す姿勢が見えて好感が持てます。
クラシックネガが追加
X-Pro3ではフィルムシミュレーションが17つから選択できるようになりました。
堅めの階調表現で彩度を抑えめという「クラシックネガ」がXシリーズで初めて採用になりました。まだ触っていないのですが、フィルムシミュレーションが特徴のFUJIFILMのカメラなので、非常に楽しみです。
スナップ写真で効果を発揮しそうなシミュレーションですね。
モノクロ調整機能として「モノクロームカラー」
モノクロ調整機能が、モノクロクロームカラーという名前で新しくなりました。
これまでの暖色系や寒色系だけでなく、マゼンタ・グリーン系を加えたカラーシミュレーションから選ぶことが可能になりました。
「カラークロームブルー」が追加
X-T3から搭載されたカラークロームエフェクトに新たなエフェクトである「カラークロームブルー」が追加されました。
これは青空などの青の表現が豊かになるもので、いつも青空の色がうまくカメラで出せないような気がしていたのでぜひ使用してみたです。
クイックメニューの表示数を切り替え可能
クイックメニューのアイコン表示数を4、8、12、16から選択することができるようになります。
クイックメニューは使いたい機能ワンタッチで呼び起こせるので便利なのですが、これまでの10数個もあると使わない機能も入っているのが少し邪魔な気がしていました。
しかし、4つや8つなど必要最小限にできることで、見た目もシンプルに、操作性も上がるような気がしています。
背面モニタがすごい
ボディ背面に設置されて1.28インチのカラーメモリ液晶モニタでは、電源のオン・オフに関わらず撮影情報が確認できます。
これには2つのパターンがあり、標準モードとクラシックモードです。標準モードではシャッタースピードやF値など撮影設定を確認できます。X-H1のサブモニターのような役割です。クラシックモードではフィルムシミュレーションの設定を、写真フィルムのパッケージアイコンで表示できます。
このクラシックモードがすごいんです。フィルムカメラで撮る時に何のフィルムを使っているか忘れないためにフィルムのパッケージを切って背面に貼っておくような感じで、これがデジタルカメラでも同じようなことができるのです。
何が良いかと言うと撮る時のモチベーションが高まる、これに尽きると思います。フィルムカメラでワクワクしながら撮る気持ちを再現するようなカメラ。撮る喜びを思い出させてくれるカメラ、それがX-Pro3なのかと思います。
X-Pro3に感じること。スペックや外観、色んな意味で期待を裏切られた
感じること
X-Pro3を見て感じることです。
X-H1やX-T3と比べると変化は乏しいのかと思います。しかしX-Pro2からの進化は顕著です。現行機種からの変化は少なくてもコンセプトが全く違うので、X-Pro2からの進化を見ればこのカメラの存在意義が見えてくるかと思います。
X-Pro1は2012年に発売、X-Pro2は2016年3月だったので、そこから3年8ヶ月経ちました。その期間でX-Proという機種は確実に変化を遂げています。
X-Pro3を見て、AFが進化し、そして光学式・電子式の切り替えがさらに進化した。カメラの原点ビューファインダーカメラとしてコンセプトを突き詰めたカメラ。と言えるのではないでしょうか。
最後に
FUJIFILMはものすごいコンセプトのカメラを作り続けていて、これはその際たるカメラであると思います。
正直X-Pro2の方が使いやすいという声や、使いづらいけど撮っていて楽しいという声が聞こえてきそうです。FUJIFILMが作った最新の技術と情熱を注いだカメラがついに発売になります。
売れるか売れないかは別として、とても楽しみなカメラということは間違いなさそうです。