FUJIFILMからの新たなラインナップ。XF16-80mmというレンズです。
2018年あたりから話はありましたが、今秋ついに発売となります。
標準ズームともいえるこのレンズ、調べてみたら興味が出てくる良いレンズだったので紹介していきます。
またFUJIFILMのズームレンズの中で、これに近いズーム域の「XF18-55mm」「18-135mm」「16-50mm」と比較してどのような特徴があるか見ていきたいと思います。
発売日・価格は?
スペック何よりもまずはここ。
レンズの発売日は2019年の9月末と公開されています。
価格は税込108540円(希望小売価格)です。XFレンズの最高峰レッドバッジレンズと比べると安い、しかし通常のズームレンズと比べると少し高い。その理由を後に書いていきます。
注目すべき特徴
このレンズの代表的な特徴をあげてみます。
・F値固定
・近接撮影
・小型軽量
・手振れ補正
・安定のAF
個人的に注目するポイントはこの5つ。1つ1つ詳しく見ていきます。
F値固定
16-80mm(換算24-122mm)において全ての焦点距離でF4で通しです。
F2.8通しのレンズがある中でF4は少し物足りない気はしますが、他レンズよりは十分良いのではないでしょうか。何よりF2.8になると価格が跳ね上がる…要は価格と明るさのバランス。そう考えたらF4でも十分と考える人は多いかと思います。
近接撮影
最短で35cmまで寄ることができます。これは相当アドバンテージ。35cmまで寄れればちょっとしたテーブルフォトや、近接のスナップにも使いやすいと思います。
小型軽量
全長が88.9cm、重さが440gで扱いやすい大きさになっています。18-55mmに比べるとやや大きくなっていますが、他と比べると軽くて小さいレンズです。X-TシリーズやX-Eシリーズにも合わせやすいレンズの大きさであると言えるでしょう。X-Proに合わせてもかっこいいかと思います。
手振れ補正
6段分の手振れ補正が搭載されています。デジタルカメラ用の交換レンズとしては世界最高のCIPA準拠6.0段と言っており相当強力な手振れ補正が効くのではないかと期待です。
良くてもFUJIFILMのズームレンズは5.0段の手振れ補正なので6.0段は強力です。1段上がるだけで相当シャッタースピードが稼げるので、夜の手持ちにも強いレンズということです。
安定のAF
ズームによってレンズの全長が変わらないレンズがインナーフォーカスです。このレンズはインナーフォーカス方式を採用しており、小型化、さらには他にはないような静かで高速なAFが実現されます。安定感があってどれほど高速なのか試してみたいところです。
他のレンズとの比較
16-80mmと焦点距離が近い、いわゆる「標準ズーム」とも言われるズームレンズの比較です。
焦点距離 | 16-80mm | 18-55mm | 18-135mm | 16-55mm |
---|---|---|---|---|
開放F値 | F4 | F2.8-4 | F3.5-5.6 | F2.8 |
発売日 | 2019.9 | 2012.11 | 2014.6 | 2015.2 |
全長 | 889mm | 704mm | 978mm | 1060mm |
重量 | 440g | 310g | 490g | 655g |
フィルター径 | 72mm | 58mm | 67mm | 77mm |
価格 | 100500円 | 81000円 | 124000円 | 162000円 |
最短撮影距離 | 0.35m | 0.6m | 0.45m | 0.3m |
防滴防塵 | あり | なし | あり | あり |
手振れ補正 | 6.0段 | 3.5段 | 5.0段 | なし |
リンク | 今後追加予定 | XF18-55mm | XF18-135mm | XF16-55mm |
ここでは画質については触れてはいませんが、比較の表だけで見ると良さそうなレンズだなと思えますね。
ここがいい
16-80mmの良い点。まずは換算24-122mmという画角です。ある程度の画質と明るさを担保しながら55mm(換算84mm)ではやや足りない画角をカバーするレンズという点かと思います。
84mmでも十分な時は多いのですが、少し望遠で撮りたい時もある。だけどそのためにレンズを交換するほどでも無いような場面。そんな時に24-122mmというのは抜群に便利かと思います。僕のズームレンズ使用の画角に関して言うならばこのレンズ1本あれば大体はOKとも言えます。
次は1番のポイント「手振れ補正」です。6.0段は魅力的でそれがあるから使ってみたいと思う人は多いでしょう。室内や夜の撮影で使用できるズームレンズは多くなかったFUJIFILMのレンズ群ですが、このレンズがラインナップされれば撮影の幅が広がることは間違い無しな気がしています。またボディ内手振れ補正が搭載されているカメラは今のところX-H1だけなので、その他のカメラで力を発揮してくれるでしょう。
最後にバランス感です。大きさが小さくて、比較的軽いこと。画質も作例、スペックを見る限り画質も良さそうなこと。F値通しであること。それでいて約10万円とそれほど高くない価格で買うことができるレンズ、となるとバランスが良いレンズという言葉がぴったり当てはまります。
ここはちょっとな点
これは1つだけ。F値通しなことはすごく良いのですが、それがF4なところです。
望遠側はまだ良いにしても広角側はF4だと少し物足りません。できることならF2.8まではあると良いのですが。F2.8なら明るさもそうだしボケももう少し良いのに。
しかしF2.8にすると大きく重くなるし、価格も上がるし、このレンズの良さであるバランス感が無くなってしまうでしょう。F2.8で明るさとボケを取るか、F4でバランスを取るかという問題。その結果としてF4のバランスを取ったレンズがこのレンズなのですね。
F値が少し大きい分、手振れ補正でまかなっているのでその点は割りきれる人にこのレンズが良いということです。
こんな人にオススメ!
上で挙げたような特徴を踏まえてこれはおすすめなレンズであると思います。どんな人におすすめか。それは
・ズームレンズは1本で軽量化して持ち歩きたい人
・X-H1以外のカメラを使用する人
・小型のカメラでスタイリッシュにズームレンズ使用する人
このような人にはぜひおすすめなレンズです。見た目もかっこいいし、画質もスペックもバランスが良いレンズ、それがこのXF16-80mmF4です。
最後に
いかがでしょうか。以上を踏まえてXF16-80mmは良いレンズだなと思います。
僕としてはX-H1を使用していてレンズに手振れ補正はそれほど求めないこと。XF55-200mmを所有していて、さらにはXF16-55mmを購入しようかと思っているので、今回のレンズの購入は見送りますが、そうでない状況だったら「買い」なレンズだと考えるかもしれません。
FUJIFILMのレンズに限らず、良いメーカーのレンズは発売されるたびに新たに進化しておりワクワクするようなものばかりです。これだからレンズ沼にハマっていく人がたくさんなのですね。
僕がオススメはX-T3に合わせること。カメラのコンパクトさにぴったり合ったレンズなので軽快に使用できるし、手振れにも強い。
X-T3 × XF16-80mmの組み合わせは1番良いのではないでしょうか。